「まだたくさんあったのに……」




頬をふくらませて少し不貞腐れる音羽。




「ありがとう。たくさん好きになってくれて」




お互い微笑み合う。



「改めて、俺と付き合ってください」




「……はい」



もう一度静かにキスをする。




自分が誰かに恋をするなんて、無いと思ってた。だけど彼からの熱が私を溶かしていった。





何も魅力のない私だったけど、彼はそんな私の中にある好きを沢山見つけてくれた。




傷つくこともあったけど、それも私たちには必要な事だったのかもしれない。