音羽の前まで来て止まる。





「ちゃんと話に来た」




私の好きな人が目の前にいる。それだけで、舞い上がって嬉しくなってしまう。




失恋しているのに、それでも好きだと縋り付きたくなる私は、相当彼を愛しているのだろう。




まさかこんなに誰かを好きになるなんて、思わなかった。





「私も――」



「待て」



間に入ってくる大輝。




「今更、言い訳しにノコノコ現れてどういうつもりだ?どの面下げて来た?」