手を引かれてその場を立ち去る音羽と凛。




「…………」




「今起きたことは忘れよう。今私たちは誰にも会わなかった」




「凛……」





「あんなクズに音羽の楽しい時間を壊されてたまるか」




私のために怒ってくれるなんて。




「そうだね。勿体ないよね」



「そうそう!さぁ!早く屋台に行こう?お腹ペコペコだよー」




何事も無かったように2人で屋台に向かったのだった。




――叶side


○学校・廊下




「行こう」



音羽の友人と思わしき人と一緒に、去って行ってしまった俺の愛しいひと。



何も話せなかった……。




音羽を泣かせるような男。俺の中途半端な行動のせいで傷つけてしまった。そう言われても仕方がない。それでも……諦めきれない。