「それはっ……」


あの日の屋上での話は凛にしてある。信じられないとわざわざ叶くんのクラスまでカチコミに行こうとまでした凛を止めるのに必死だった。





「まぁ、モタモタしてた私も悪いんだし、私なんかが学校のアイドルと付き合うなんて夢のまた夢だよ」



アハハと苦笑いが思わず出てしまう。




「音羽……」



「心配しないでよ。失恋してメソメソ泣く女じゃないから……ね?」




本当は、家に帰って大泣きした。けど、それ以来はどんな噂を聞こうが涙を流していない。




「それでも、1回話し合った方がいいと思うよ?仮に本当に未来屋くんが音羽を好きじゃなくなったからって、ズルズル付き合いつづけていい理由にはならないでしょ?」



「うん」



早く別れ話を切り出してこの関係を終わろう。いつか思い出話になるはずだ。早ければ早いほど、心の傷の治りは早くなる。