「ちゃんと未来屋くんの口から聞きたいの!」




ピタッ――




大きい声が聞こえて思わず止まる音羽。




「……好きだ――」



ズキンッ――



今……なんて……?上手く聞き取れなかったけど……今好きって……。





目の前には見た事のある女の子と叶くんが抱き合っている。確かあの子は、花火大会に叶くんを誘っていた……。




もしかして、手遅れだった?いつまでも何も言わないから捨てられた?



急いで屋上から離れる音羽。



誰も居ない校舎裏へ行き、しゃがみこむ。




ポタッ――ポタッ――




「うっ……ううっ……」



次から次へと零れてくる涙。