入院から四月が経った。

 華はナースステーションの横の病室に替わっていた。

 横向きに寝たまま、LINEで送られてきたグアムの翔の写真を開いた。

 翔がビーチで笑ってる。

 写真の翔の頬を指でなぞった。

 右目の涙が左目に入った。

 あなたは気付いてないよね。

 気付いて欲しかったな。

 あなたが好きだからバイトしたんやで。

 最初からずっと好きやった。

 逢いたい、翔。

 声が聞きたい。

 明日が欲しい。

 翔と一緒の明日が欲しい。

 大好きやで。

 迷惑かけたくなかった。

 けど、迷惑かけたら良かった?

 迷惑かけたら、君はここに居てくれたよね。

 それはあかんわ。

 みんな持っていくね。この思いは持っていくね。

 翔がくれたクマのぬいぐるみも持って天国に行くね。

 それから華は意識が混濁して、数日で亡くなった。