初めて見た海堂学園の敷地内は、あまりよく覚えていない。
人通りがない場所を知っている壱さんについていくので精一杯で、気がついたら門の外に出ていた。
「よし、行くぞ」
「は、はいっ……!」
壱さんから一歩下がって、同じ道を歩いていく。
学校の外は見慣れているはずなのに、まるで初めて訪れた場所みたい。
「わたし、ここを歩くのは初めてです」
「ああ、雪平の女子は、いつも車で送迎だもんな」
大丈夫でしょうか。
歩いているところを見付かったら、怒られてしまうでしょうか。
だけど、不思議。このドキドキの正体は、恐怖じゃない。
「あの、壱さん、どちらまで行かれるんですか?」
「んー、急にサボんの決めたから、何も考えてなかったな。聖良は?」
「え?」
「聖良の行きたい場所は? だから、ついてきたんだろ?」
「わたしは……」
頭に思い浮かぶのは、小説のワンシーン。
制服デート。
人通りがない場所を知っている壱さんについていくので精一杯で、気がついたら門の外に出ていた。
「よし、行くぞ」
「は、はいっ……!」
壱さんから一歩下がって、同じ道を歩いていく。
学校の外は見慣れているはずなのに、まるで初めて訪れた場所みたい。
「わたし、ここを歩くのは初めてです」
「ああ、雪平の女子は、いつも車で送迎だもんな」
大丈夫でしょうか。
歩いているところを見付かったら、怒られてしまうでしょうか。
だけど、不思議。このドキドキの正体は、恐怖じゃない。
「あの、壱さん、どちらまで行かれるんですか?」
「んー、急にサボんの決めたから、何も考えてなかったな。聖良は?」
「え?」
「聖良の行きたい場所は? だから、ついてきたんだろ?」
「わたしは……」
頭に思い浮かぶのは、小説のワンシーン。
制服デート。