ザザー、ザザザー、ザザザー

波の音が聞こえてくる。


「ねえ、早くきてよ」

「待ってよ、咲」


「学校遅れちゃうよ、船に間に合わない」

「うん、わかってる」

早くしないと。

海辺を女の子と二人で走っている。

走っていくとだんだん船が見えてきた。

その船に入ると、高速船定期をおじさんに見せると

「おはよう、今日はギリギリだね」

そう言って定期の裏に年月日のハンコを押した。

船の中を進むと、男の子3人が待っていた。

「遅いぞ、真凜」

そう言って頭を叩いた。

私は、仕返しにこちょこちょをした。

「おい、真凜やめろよ」

「賢斗が先に叩いてきたんでしょ」

「お前が遅いからだろ」

そう言って、戯れていると、

「朝から元気だな」

後ろから声がした。

「あ、おはよう、翔、大和」

「そろそろ船出発するぞ」

翔がそう言ってきた。

「うん、そうだね、ほら賢斗座るよ」

そう言って、座った。

「はあー、今日の授業めんどくさいなー」

そういうと、賢斗が

「お前はいつも寝てばかりだからな」

茶々を入れてきた。