「次は体力テストだよ。私の友達になると飲み物や食べ物を買ってきてもらうこともあるから、ある程度体力がないといけないの」

「それって友達じゃなくてパシリなんじゃないの?」
思わず反論すると、椎名が驚いた顔をこちらへ向けた。

「パシリ? みんな、私の飲み物や食べ物を買ってくることがパシリ行為だと思う?」

私以外の全員が左右に首をふる。
「むしろ誇らしいよな」
直樹が一番に口を開いた。

その顔は堂々としていて、自分の考えは間違っていないと思っているみたいだ。
「うん。私なら毎日でも椎名に飲み物を届けるよ」
「あたしだって、それくらいできるし!」

みんなが競い合うようにして椎名の意見に賛同する。
ただ1人、私だけがポカンと口を開けてその様子を見つめるばかりだ。

「みんな仕方ないよ。奈美は招待されていないのにここへ来たんだから」
千佳が慰めるような視線を私へ向けた。
「わ、私は千佳のことが心配で……!」