「5位は大川しのぶちゃん。そして6位は残念、住山英明くん」
最下位で呼ばれた英明が青い顔でブルブルと震え始めた。

その目には涙まで滲んでいて、普段の乱暴な様子は消え失せている。
「お、俺が最下位……?」
震える声で呟く。

このまま倒れてしまうんじゃないかというほど青い顔に不安になってきたとき「大丈夫だよ」と、椎名が言った。

「英明くんはもう少し勉強してね? さっきも言ったようにあまりに勉強ができない人とは友達になりたくないの」

椎名の言葉に英明は何度も頷いた。
「わかった。勉強する。だから友達オーディションから落とさないでくれ」

「もちろんだよ。今のはちょっとした小手調べだから、本番はこれからだよ」