「はい。じゃあこれから結果発表をします」
椎名の声に私以外の全員が緊張したのがわかった。

こんなテストお遊びなのだから、そんなに緊張しなくてもいいのに。
「まず1位はふたりいます」
その言葉に教室内がざわめいた。

ふたりということは、きっと春美と重人だろう。
ふたりはさっさと回答を済ませて、問題を解きなおす時間まであったみたいだし。

「1人目は井石春美ちゃん」
名前を呼ばれて春美が自信満々な笑みを浮かべる。
重人も次に自分が呼ばれると確信しているようで、不安そうな顔はしていなかった。

「もう1人は小野重人くん」
重人は当然だという顔を浮かべて全員を見回した。

「次は3位。これもふたりいます。まずは奥川千佳ちゃん」
「やった!」