毎日歩いている廊下が、真っ暗だというだけでまるべ別物に見えてくるから不思議だ。

ともすればそのバに立ち止まってしまいそうになるけれど、どんどん先へ進んでいく千佳を追いかけるために必死で両足を動かした。

階段を上がり、途中にある大鏡を見てギュッと心臓が縮こまってしまいそうになる。
千佳はそれも気にせず2年A組に教室へと向かった。
やっぱり、普段の千佳とは様子が違うみたいだ。

A組の教室からは話声が聞こえ漏れてきていて、それはどれも聞き覚えのあるものばかりだった。

千佳がドアを開けるとその話声がピタリと止まった。
そして「こんばんは」と、椎名の声がした。

千佳が微笑んで中へと入っていく。
私もその後に続いた。

教室にいたのはしのぶ、英明、春美、重人、そして直樹の5人だった。
千佳を入れて6人のクラスメートたちを呼び出したらしい。