「他の招待された人たちは?」
グラウンドには私と千佳しかいなさそうだ。
「さっき入っていくのを見たよ。たぶん、私が最後かなぁ」

「そっか。じゃあ行こうか」
私は千佳と一緒に闇に沈む校舎へと向かう。
校舎へ近づけば近づくほどになんとなく異様な雰囲気を肌で感じて寒気が走った。

「ねぇ、やっぱりやめない? これって不法侵入だよね?」
窓から中へ入っていく千佳に後から声をかける。
「ここまで来たんだもん。私は行くよ?」

それは今までの千佳にない決意された声色に聞こえた。
「でも、誰かにバレたら」
「怖いなら、奈美は帰っていいよ」

そう言ってどんどん校舎の奥へと進んでいく。
私は慌てて窓から校舎内へと身を滑り込ませたのだった。
夜の校舎をスマホで照らしながら進んでいく。