それは、今回だって変わらないと思う。
さずがに、あれだけの人数と友達になるのは星沢さんだって大変だろうし。

「そう思う!?」
私の励ましに千佳がパッと嬉しそうな顔を上げた。

私がうんうんと頷いたところで、輪の中から飛び出してきたふたりがいた。
しのぶと英明だ。

ふたりは休憩時間になると同時に椎名に話かけていたから、もう十分会話できたんだろう。
ふたりとも満足そうな顔をしている。

「ねぇ、なに話してたのぉ?」
会話に入れなかった千佳がすぐにふたりに駆け寄って質問している。

「前の学校の話しとか。メッセージも交換した」
しのぶが高揚している様子で答える。

片手にはスマホが握られていて、抜け目ないなと感じた。
「いいなぁ! ねぇ、椎名さんってどんな感じの子?」