「どうかしたの?」
「これ、見てぇ!」
千佳が差し出してきたのは薄ピン色の便箋んだった。

そこには綺麗な文字が並んでいて、すぐに椎名の書いたものだと気がついた。
文化祭の話し合いのときに黒板に書かれていた文字と同じだ。

「友達オーディション?」
そこに書かれていることを声に出して読んで首を傾げる。
「招待状だよ! ついに椎名が友達を決めるんだって!」

興奮気味に言う千佳に「はぁ?」と呆れた声しか出てこなかった。
友達ならもう十分できているはずだ。

毎日毎日椎名の机の周りは人が集まってきているんだから。

「ほら、椎名って人気者でしょう? だから、本人がこの子となら友達になりたい! って思う子を探すのは大変なんだって。だから前の学校でもオーディションをして、一緒にいる子を決めてたらしいよぉ?」