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昨日の夜は結局あまりよく眠れず、今日は普段にも増して頭がボーッとしていた。
そのまま教室へ入ると椎名の香水の匂いのせいでクラクラしてくる。

みんな、よくこんな中で平気で椎名に近づくことができるのだ。
私は教室の窓を全開にしたい気持ちをグッと押し込めて、自分の席に座った。

ホームルームが始まるまでまだ10分あるから、少し眠ろう。
そう決めて突っ伏したものの、千佳の声が私を叩き起こしに来た。

「奈美! 起きて!」
そう言って乱暴に背中を揺さぶられて目を開ければ、千佳のランランと輝く目と視線がぶつかった。
最近は常にトロンとした眠そうな目をしていたから、今日は珍しい。