千佳がお弁当箱の蓋を開けて言う。
千佳の家は共働きだから、お弁当の中身は冷凍食品が閉めている。

時々千佳が自分で手作りしているみたいだけれど、料理はあまり得意じゃないみたいで、焦げた卵焼きが形見狭そうに入っているのを見たことがある。

「そんなの気にしなくていいのに」
「気にするよぉ! だってさ、椎名って自分でお弁当作ってるんだって」

千佳が急に目を輝かせて熱弁する。
呼び名も、いつの間にか椎名になっているし。

それを気にしつつ私は話に耳を傾けた。
「椎名の家も共働きなんだって。だから毎朝家族の分までお弁当作るんだってさぁ。すごいよね!?」

確かにすごい。
1回だけとかならできると思うけど、毎日続けるのはさすがに無理だ。

朝はゆっくり眠っていたい。