それはまるで永遠にも感じられるほど長い時間だった。
電気ケトルは小さいサイズといえど、中身はパンパンの水で満たされていたのだろう。

やがて千佳は上を向いたまま動かなくなった。
声も聞こえず、胸のあたりが動いている様子もない。
「あら千佳ちゃん? やっぱりダメだったの?」

電気ケトルの中身をすべて千佳の顔面にぶちまけた椎名が残念そうな声で呟いた。