よかった。
少しは好感度が上がっただろうか。
そう思っている間に私の腕にもスタンガンが押し付けられていた。

固くて黒い無機質な機械に悲鳴を上げてしまいそうになる。
奥歯を食いしばり、視線を遠くへ向けて意識を遠ざける。
大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせて深呼吸した。

「行くよ?」
椎名の言葉が聞こえきた直後に凄まじい衝撃が腕に走った。
ビリビリと痺れるような感じ。

熱くて痛くて、肌が焼け焦げるような匂いがする。
奥歯が折れてしまうんじゃないかと思うほどキツク歯を食いしばって耐えた。

それはほんの数秒間の出来事だったけれど、全身が汗だくになっていた。
「すごいじゃん奈美ちゃん。見直したよ」
スタンガンから肌から離れると全身の力が抜けた。