だけど拘束されているから、ほとんど体制を変えることはできなかった。
椎名がむき出しになっている直樹の二の腕にスタンガンを押し当てる。
「行くよ?」

それを合図にバチバチと音が鳴って青色の火花が見えた。
直樹は必死で歯を食いしばって声を上げるのを我慢した。

「さすが男の子だね」
椎名が満足そうに言ってスタンガンを離すと、押し当てられていた皮膚が黒く変色していた。

心なしかそこから煙が上がっているようにも見えた。
だけど人のことを考えている暇はない。

次は私の番だ。
椎名が近づいてきて、私は無理やり微笑んで見せた。
これくらいのことどうってことないとアピールするつもりだった。

「奈美ちゃんは余裕そうだね? 緊張してないなら、よかった」
椎名が満足そうに頷いている。