「次のテストは我慢強さよ。やっぱり友達は我慢強くいてもらわなきゃいけないからね」
椎名はそう言って品定めするように道具たちを眺めていった。

その目はギラギラと輝き、獲物を見つけた鷹のようだった。
「最初はやっぱりこれかな」
椎名が選んだのは手のひらに収まるくらい小ぶりな箱だった。

真っ黒で、先端が二手に割れている。
それはなんだろうと見ていると、椎名が箱のスイッチを押して先端からバチバチと火花が散った。

スタンガンだ。
心の中で思う。
映画やドラマでは見たことがあったけれど、本物のスタンガンを目にしたのは初めてのことだ。

「これをひとりずつに当てていくけれど、絶対に声はあげないでね」
椎名はそう言うと最初に右隣にいる直樹の前に立った。
直樹が緊張して背筋を伸ばす。