思わず文句が口をついて出てしまう。
だけど椎名はそういう友達はほしくないだろうから、それ以上はなにも言わなかった。

首が攻撃できないからがら空きの顔面を切り裂いた。
頬が裂けて、口元が裂けて、鼻の頭が裂けて、あちこちから血が出てくる。

くり抜かれた右目の上を攻撃するとなにもない空洞にカッターナイフが入り込んでしまった。
けれどその拍子に春美が絶叫した。

血でなにも見えないけれど、空洞になった目の奥の組織を傷つけたのだとわかった。
あまりにも春美もだえるものだから、私は何度も何度もその空洞にナイフを突き入れた。

ザクッザクッと確かな感触が手に伝わってきて、ボロボロになった肉片がカッターナイフについてくるようになった。

その頃には春美はおとなしくなって、でも呼吸をしている状態だった。
私は春美の両腕をどかせると、その喉にようやくカッターナイフを突き刺すことができたのだった。