そこでも春美に勝っていると思っているけれど、今の状況をみるとそれも怪しく思えてきた。
私は春美が繰り出してきた蹴りを避けたとき、後方にある机の引き出しに手を突っ込んだ。

そして手に触れたものを確認することもなく握りしめる。
手の中の感触でそれがペンだと気がついた。

引き出しから引っ張り出しすと同時に春美の顔面めがけてそれを突き出した。
思っていた通りそれはボールペンで、運良く春美の右目に直撃した。

ペン先がズブズブと目の奥へと沈んでいくのがわかる。
手を離しすと右目からペンを突き出した春美が2,3歩後ずさりをして尻もちをついた。

私はすぐに距離を詰めて春美の右目からペンを引き抜く。

春美の断末魔のような叫び声が教室内に響き渡り、ペン先に春美の眼球がくっついてきていることに気がついた。

私はそれを指先で外すと、すぐに春美の左目めがけて突き出した。
春美は転がってそれをかわし、机の中に手を突っ込んだ。