勢いよく鼻血が吹き出してあっという間に重人の服を真っ赤に染めていく。
2度、3度と同じ箇所を攻撃するとゴキッと音がして重人の鼻が妙な方向へ向いた。

鼻呼吸ができなくなって口を開いて呼吸していると、千佳は今度はそこを狙った。
前歯が折れて口が切れて重人の顔が真っ赤になる。

血の海で溺れてしまったかのように重人は何度も身悶えして、口から必死に空気を吸い込もうとした。
だけどそれを千佳が許さなかった。

重人が口を開けるタイミングでモップを振り下ろすから、モップの先端が口の中に入り込み、舌を傷つけたようだった。

もはや重人の顔のどこに鼻があり、口があったのかわからなくなった。
そこまできてようやく重人は動きを止めたのだった。