椎名が驚いた顔をこちらへ向けたけれど、応援をやめることはできなかった。
千佳に勝ってほしいと思うのはどうしてだろう。
千佳だって私の敵で間違いないはずなのに、次のテストで蹴落とさないといけないかもしれないのに、どうしてこんなに応援してしまうんだろう。
「うあああああ!」
千佳が雄叫びを上げて重人の体を踏みつけにする。
その拍子にまたバキンッとなにかが折れた音がして、重人がくぐもった悲鳴を上げた。
丸まっていた重人の体が弛緩したかと思うとダラリと横倒しになった。
その目は完全に閉じていて動かない。
「や、やった! 千佳が勝った!」
「まだ勝敗は決まってないわよ。今ので気絶してるだけよ」
千佳に勝ってほしいと思うのはどうしてだろう。
千佳だって私の敵で間違いないはずなのに、次のテストで蹴落とさないといけないかもしれないのに、どうしてこんなに応援してしまうんだろう。
「うあああああ!」
千佳が雄叫びを上げて重人の体を踏みつけにする。
その拍子にまたバキンッとなにかが折れた音がして、重人がくぐもった悲鳴を上げた。
丸まっていた重人の体が弛緩したかと思うとダラリと横倒しになった。
その目は完全に閉じていて動かない。
「や、やった! 千佳が勝った!」
「まだ勝敗は決まってないわよ。今ので気絶してるだけよ」