今まで気絶していた英明がカッと目を開いたのだ。
そして怒りの形相で直樹をにらみつける。

予想外の出来事に直樹が「ひっ」と小さく悲鳴を上げた次の瞬間、その手に力が入っていた。
首の太い血管が切れて血しぶきが舞い上がる。
天井まで届くそれは直樹の体を一瞬で真っ赤に染め上げた。

直樹が血しぶきに驚いて英明の体から飛びのく。
教室の隅で春美が嘔吐する音が聞こえてくる。

「ふふふっ。素敵な噴水ね」
椎名の満足そうな声に視線を向けると、その顔はうっとりとして微笑んでいたのだった。