相手を殺すと言われても動揺はしなかった。
すでにしのぶが死んでいる今、そうなっていくだろうということは理解できていたから。

「一組目は直樹くんと英明くんで戦ってもらう」
椎名が黒板にふたりの名前を書いたとき、重人が安堵のため息を漏らした。

体格的にも肉体的にも重人がふたりに敵うはずはないからだ。
「教室をでなければ相手になにをしてもOKよ。ちゃんと最後まで殺してね?」

椎名に言われて直樹と英明は互いに目を見合わせて牽制し合っている。
教室内にある道具なども自由に使っていいということなんだろう。

どれだけ大暴れされるかわからなくて、私は椎名の隣に身を寄せた。
この教室内で一番安全な場所だ。

「それじゃ、スタート!」
椎名の掛け声を合図にして戦いは開幕した。