カラカラに乾いていた喉に甘い麦茶が染み渡っていく。
飲んでいると頭がクラクラして、心地よくなっていくから不思議だった。

「おいしい」
麦茶の入った紙コップを両手で包み込むようにして千佳がうっとりと呟く。
「本当においしいよね。こんなの飲んだことない」

何杯でもおかわりしたかったけれど、椎名はきっと遠慮を知らない友達はいらないと言うだろう。
だからみんな一杯だけで我慢しているんだ。

「さぁ、次のテストの説明をするわよ」
全員が麦茶を飲み終わったことを確認して、椎名が言う。

「今度は一気に数を減らしたいから。ふたり一組になって、相手を殺せるかどうかやってもらうわ」
椎名がそう言って黒板へ向いた。

対戦相手は椎名が独断で決めるみたいだ。