そんなしのぶを心の中で笑いつつ、気を引き閉めた。
私だっていい薬品が手に入ったとは思っていない。

少なくても、私より前に科学室へ行った人たちに勝ち目はないと思っておいた方がいい。
ギリギリ、最下位にはならないというだけのことだ。

それを椎名がどう判断するかも問題として残っていた。
「みんな準備はいい? じゃあ行くわよ、せーのっ!」

椎名の掛け声を合図にして全員が袋の中の毒物を取り出した。
似たようなビンばかりで薬品名を読まなければなにがなんだかわからない。

「私はクロロフォルムを持ってきたよ」
そう言ったのは春美だった。

さすが一番手だけあって、死亡率の高い薬品を手に入れている。
「俺は亜鉛だ。大量に摂取すると大変なことになるぞ」