その後ろ姿を見送りながら、自分の番がまだまだ回ってこないことにため息をつく。
だけど2番めの英明も比較的早く教室へ戻ってきて、その顔は自信がありそうだった。

いい毒物がまだ残っていたんだろう。
3番目は直樹の番だ。

私は直樹へと視線を向けるが、直樹は気が付かない様子ですぐに教室を出ていってしまった。
直樹はどんな毒物を準備してくるだろう。

直樹にはやっぱり最下位になってほしくなくて、敵なのに応援したい気持ちになってしまう。
直樹が戻ってきたのは先のふたりに比べると随分時間が経過してからだった。

「遅かったのね。随分悩んだ?」
「うん。ちょっと、どうなのかわからないな」

椎名の問いかけにも自信なさそうに返事をして、袋と割り箸を教卓に置く。
これでようやく3人が終わった。