気を取り直すように重人が言った。
重人は6番目だからしのぶと大差ないけれど、椎名から見限られることを恐れて前向きな発言をしているのだろう。

これはポイントが高いかもしれない。
私は重人の意見に頷いて「私も大丈夫だよ」と、答えた。

本当は少しだけ不満があったけれどこんなところで椎名からの評価を落としたくはない。
「あたしだって、大丈夫だし」

しのぶが慌てて意見にのっかる。
異議のある人は1人もいないみたいだ。
「それじゃ、1番を引いた春美ちゃんからどうぞ」

「はい。行ってくるね」
春美は弾むような足取りで教室を出たのだった。
化学室にはどんな毒物があっただろうか?