椎名の掛け声をともに全員が割り箸を缶の中から引き抜いた。
一瞬目を閉じ、そして恐る恐る先端に書かれている数字を確認する。

5と書かれている数字に全身から力が抜けていってしまいそうになった。
7人中5番目。

決して有利な数字ではないことは、明白だった。
私とは対象的に喜びの声を上げたのは春美と英明だった。

さっきまで不安そうな顔をしていた春美が1番の割り箸を選んでいたのだ。
「やった! 今回は私の勝ちで間違いなしだね!」

と、すでに勝ち誇ったように喜んでいる。
英明が選んだ割り箸には2という数字が書かれている。

ふたりとも、本当に運がよかったみたいだ。