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「絶対に誰味も言うなよ」

甘ったるくてキツイ匂いの香水をつけた彼女は、私の財布から千円札を３枚取り出すとそう言って空になった財布を投げつけてきた。

３千円は私の一月分のお小遣いで、昨日もらったばかりだった。
つい恨めしそうな顔で彼女を見つめるとすぐに睨み返された。

「なんだよその顔。文句あんのかよ」
彼女は怒鳴り声をあげて私の腹部にケリを入れる。

すぐに受け身を取ったけれど、衝撃で床に叩きつけられてしまった。
痛みが腹部に駆け抜けて声が出ない。

内蔵が悲鳴を上げている。
「文句は……ありません」

彼女から視線をそらして枯れた声で返事をする。
「だったらナメた顔してんじゃねぇよ」