「絶対に秘密だよ」
そっと人差し指を立ててぷっくりとした唇に当てて彼は私にそう言った。

その顔にはハニカんだ笑みが浮かんでいて、頬はほんのりとピンク色に染まっている。
私は自分の唇に触れる。

さっきまで乾燥してカサカサしていたそこは、彼がリップを塗ってくれたことによって潤っている。

かすかに香ってくるミントの香りは彼の唇とおそろいで、自分の体温が急上昇していくのを感じた。

私が「うん」と頷くと、彼はまるで子供にするみたいに私の頭を撫でた。