レオンと付き合いたい。
 推しとイチャイチャしてみたい。

 せっかくこの世界に転生したんだったら、私の好きを詰め込んだ男と付き合えるのなら付き合ってみたいと思うのは、正常かつ健全な発想ではないだろうか。
 前世含め彼氏いない歴=年齢の私の初彼が好きをドブドブと注ぎまくったレオンだなんて、最高すぎるではないか。

 初恋は実らないというけれど、初彼はきっと長くは続かない。きっとそういうものだ。
 ……と妄想癖歴=彼氏いない歴の女が思うわけで。
 ここはいっちょ、この第二の人生を楽しませてもらおうじゃない。

「レオン様」
「はい、リーチェ嬢」

 無意識下で、スプーンでこねくり回していたムースから目を逸らし、レオンを見据える。
 そんな私を、レオンの青い瞳が柔らかく角を落とした。
 キラキラビームがいつになくまぶしく見えるその貴重とも呼べる笑顔を前にしながら、そのキラメキにひるむことなく、テーブルに三つ指を立てて頭を下げた。

「ふつつか者ですが、どうぞよろしくお願いいたします!」