「実際はどうか分かりませんが、コーデリア公爵様は私の父が爵位を狙っている事を理解しています。ですから今回のパーティにもし私が不参加を表明すれば彼は私の父にそういう話を進言する意向だ……というような手紙をいただきました」
「脅しだな」
レオンの眉間に皺が刻まれた。
キールに対して嫌悪感を露わにしてるということが分かっていても、レオンの放つ不穏な空気に私の背筋が震えそうになる。
「しかし私と一緒にパーティに参加すれば、コーデリア公爵の反感を買いますよね。下手をすれば本当に彼はリーチェに婚姻を申し込んでくるかもしれません」
仮面をかぶりなおすかのように、レオンは再び丁寧な敬語を使い始めた。
けれど私はそれよりも彼の言動に気をとられていた。
「えっ、それは……」
ないでしょう。なにせ私はモブ令嬢で、キールに振り向いてもらえないせいで自殺する設定なのだから。
そう思ってたけど、果たして本当にそうなのかって疑問が過ったのも事実だ。だってキールの様子が私の描いたストーリー通りに動いていない。
ううん、キールだけじゃない。レオンがこんなに媚薬香水に興味を持ったのも想定外だし。
そもそも私がリーチェとしての行動をとってないからなのか……パラレルワールドっていうのがあるのなら、私のいるこの世界は私が描いた『青愛』とは別ルートに話が進んでいる気がする。
「脅しだな」
レオンの眉間に皺が刻まれた。
キールに対して嫌悪感を露わにしてるということが分かっていても、レオンの放つ不穏な空気に私の背筋が震えそうになる。
「しかし私と一緒にパーティに参加すれば、コーデリア公爵の反感を買いますよね。下手をすれば本当に彼はリーチェに婚姻を申し込んでくるかもしれません」
仮面をかぶりなおすかのように、レオンは再び丁寧な敬語を使い始めた。
けれど私はそれよりも彼の言動に気をとられていた。
「えっ、それは……」
ないでしょう。なにせ私はモブ令嬢で、キールに振り向いてもらえないせいで自殺する設定なのだから。
そう思ってたけど、果たして本当にそうなのかって疑問が過ったのも事実だ。だってキールの様子が私の描いたストーリー通りに動いていない。
ううん、キールだけじゃない。レオンがこんなに媚薬香水に興味を持ったのも想定外だし。
そもそも私がリーチェとしての行動をとってないからなのか……パラレルワールドっていうのがあるのなら、私のいるこの世界は私が描いた『青愛』とは別ルートに話が進んでいる気がする。