「そうか。私には招待状は届いていないようだが」
「どうやらそのようですね」

 あんなことがあった後だ。わざわざレオンを呼ぶわけがない。私宛の手紙にもそう書かれていたくらいだし。
 そもそも私を招待したのも嫌がらせをするためなんだと思うから、招待状が届かなかったレオンはラッキーと思うべきだ。
 ついさっきイケメンに無駄はないとか思ったけど、即刻撤回したい。キールにおいては中身がない無駄なイケメンだった。
 設定上仕方がないとはいえ、無駄だ。偏差値の高い外見に騙される女性をパーティでも見る事になると思うと、余計にそう思ってしまう。

 レオンとは違って、キールの外見をすでに克服した今の私だから言えることだけど。キールの場合は顔面偏差値よりもクズ男偏差値が勝ってしまったから。
 しかし、レオンがどこか腑に落ちていないような表情をしているように見えるのは、気のせい……?
 いや、パーティ嫌いなレオンがそんな表情するわけがないか。

「まさかとは思うが、リーチェ嬢はそのパーティに参加するつもりなのか?」
「誠に残念ながら、そのまさかです。参加せざる負えない状況、という方が正しいのですが……」

 なにせ脅迫まがいな手紙だったからね。