そんなにマリーゴールドに媚薬香水のことを知られたくないのかな? いや、知られたくはないだろうね。意中の相手を惹きつけるように調合された香水。それをつけた男主人公なんて、減点でしかない。
側から見れば容姿端麗、公明正大、気骨のある騎士だと思われている男が、まさかの妙薬的な香水に手を出しているなんて、ファン心理からすれば幻滅でしかない。
もちろんマリーゴールドがレオンに対する気持ちはファン心理とは違うものだけど、好意を持った異性が媚薬に頼ってどこの令嬢を手繰り寄せようとしているのか……と勘ぐりはするだろう。
レオンも男だ。運命の相手を前にして、そんな勘ぐりはなんとしても避けたかったのだろう。
「失礼、どうやら外は乾燥しているようですね」
いや、それは無理があるかと。本日はお日柄もよく、じめっております。
「えっ? 今朝は雨が降っていましたよね? 確かに今は天気が良いですが、乾燥はしていないかと……?」
喉元まで出かかっていた言葉を私が必死に堪えたというのに、マリーゴールドはすんなり吐き出した。
天然のツッコミだから全くもって悪気もない。なんとも居心地が悪く感じてしまうシチュエーションだ。
けれどそんな空気すら感じていないように、んー? と空を見上げていたマリーゴールドはさらにこう言葉を付け加えた。
側から見れば容姿端麗、公明正大、気骨のある騎士だと思われている男が、まさかの妙薬的な香水に手を出しているなんて、ファン心理からすれば幻滅でしかない。
もちろんマリーゴールドがレオンに対する気持ちはファン心理とは違うものだけど、好意を持った異性が媚薬に頼ってどこの令嬢を手繰り寄せようとしているのか……と勘ぐりはするだろう。
レオンも男だ。運命の相手を前にして、そんな勘ぐりはなんとしても避けたかったのだろう。
「失礼、どうやら外は乾燥しているようですね」
いや、それは無理があるかと。本日はお日柄もよく、じめっております。
「えっ? 今朝は雨が降っていましたよね? 確かに今は天気が良いですが、乾燥はしていないかと……?」
喉元まで出かかっていた言葉を私が必死に堪えたというのに、マリーゴールドはすんなり吐き出した。
天然のツッコミだから全くもって悪気もない。なんとも居心地が悪く感じてしまうシチュエーションだ。
けれどそんな空気すら感じていないように、んー? と空を見上げていたマリーゴールドはさらにこう言葉を付け加えた。