「文ちゃんはかわいいから、この前見せてくれたコンタクト?っていうのにしたら、いいと思うけどねぇ」

「じいちゃん、余計なこと言うな! ……ったく」



はぁ……とため息を吐いて、おじいちゃんから私に視線を移した綾くん。



「……俺もすぐそっちに行くから、待ってろよ」

「え?」

「……何もない。あー……心配……」

「綾くん、受験の日に風邪をひくなんて、災難だったね〜……」

「ば、ばあちゃんうるさい!」



実は、本当は綾くんも一緒に才咲学園を受験する予定だった。

だけど、当日に高熱が出てしまって、試験を受けられなかったんだ。

綾くんは学校で一番賢かったから、合格間違いなしって言われていたし、綾くんと一緒に入学するのを私も楽しみにしていたけど……体調不良はどうすることもできない。

才咲学園は高等部もあるから、高校で一緒になれたらいいな……って、ひそかに夢をみていた。