豪神くんの言葉に、ほっと安堵の息を吐いた。

嫌な気持ちにさせたわけじゃないってわかって、安心したっ……。



「お前、名前は?」

「え? わ、私?」



豪神くんを見ると、お前以外に誰がいるんだと言いたげな表情をしていた。



「こ、言葉文です……!」

「……ふっ、なんで敬語?」



あ、笑った……。

なんていうか……綺麗な笑い方っ……。

豪神くんって、メガネで目が見えないけど、鼻は高くてしゅっととしてるし、薄い唇も綺麗な形だ……。



「文って呼んでいい?」


わっ、名前呼び……!



「もちろん……!」

「俺のことも学って呼んで」



わ、私も名前呼び……!



「う、うん! 学くん……!」



私が名前を呼ぶと、豪神くん……学くんは、もう一度満足げに笑った。

その笑顔を見て、やっぱり綺麗だなと思った。