「ううん、私の推し作家さんはひとりしかいないから!」

「ひとり?」

「黄泉まなぶ先生!」



私は今読もうと思っていた小説……黄泉まなぶ先生のデビュー作を豪神くんに見せた。

おまもりとして持ち歩いている、私が大大大好きな作品。


黄泉まなぶ先生は、私が本を好きになるきっかけをくれた人。

私にとって——神様みたいな人!



「……」



黄泉先生の本を見て、なぜか固まった豪神くん。



「黄泉まなぶのファン……?」

「うん!」

「へぇ……ネットではあんまり評価よくないみたいだけど……」



え?

黄泉先生が……?



「ネットは見ないからわからないんだけど……私にとってはは間違いなく、黄泉先生は一番の小説家だよ!」



よくない評価をしてる人がいることに驚きを隠せないけど、そんな評価は関係ない。