嫌がらせるだろうから、関わらないでおこうって、決めたばっかりなのにっ……。

怒られるっ……と身構えたけど、豪神くんは何もいわず、ただ本から私に視線を移した。



「……」

「あ……ご、ごめん、急に話しかけて……今朝読み終わったから、読んでる人見つけて嬉しくて……」



つい興奮して、話しかけてしまったっ……。



「もう読んだのか?」



あれ……?

返事をもらえると思わなくて、ぎょっと目を見開く。

って、驚いてる場合じゃない……!



「う、うん……!」

「結構分量あるのに、よく読めたな」



もしかして……豪神くんも、小説が好きなのかな?



「あの、読み終わったらその本の感想について、一緒に話さない……?」



同じ読書仲間が見つかったことが嬉しくて、つい調子に乗ったことを言ってしまった。