さっき先に出て行った彼……豪神くんの姿。

やっぱり彼はひとりが好きなのな……。

好きでひとりでいる彼には申し訳ないけど、ひとりぼっちが私ひとりじゃないってわかって、少しほっとしてしまった……。


座席表を確認して、「えっ」と声を出してしまう。

豪神くんの隣……あ、あんまり騒がないように、気をつけようっ……。


そっと席に着いて、読みかけの小説を開いた時だった。



「君、新入生代表してた子だよね?」


女の子三人組が、豪神くんに声をかけた。

わっ……チャレンジャーだっ……。



「すっごい身長高いね」

「ねえねえ、メガネ外してよ」



恐る恐る隣をみると、豪神くんは女の子たちを無視して本を読んでいた。

その態度が気に入らなかったのか、女の子のひとりが豪神くんのメガネに手を伸ばした。