必死に勉強して、無事に合格することができて、ついに明後日から才咲学園の生徒になれるんだ!



「それにしても、才咲学園の特待生に選ばれるなんて、文ちゃんはすごいねぇ〜」

「文ちゃん、毎日勉強頑張ってたもんね」



褒めてくれるおばあちゃんとおじいちゃんに、照れくさい気持ちになる。



「ふたりが応援してくれたおかげだよ……!」



私のことを、今まで本当に娘みたいに大事に育ててくれたおじいちゃんとおばあちゃん。



「文ちゃんがいなくなったら、寂しくなるねぇ……」



おじいちゃんはそう言って、少し寂しそうに微笑んだ。

才咲学園は全寮制の中学校だから、私は今から……育ったこの町を離れて、学園の寮に引っ越すんだ。

才咲学園に入学できるのは嬉しいけど……この家を離れるのは、やっぱり寂しいな……。

溢れそうになった涙を堪えて、にこっと笑ってみせる。