この人は理事長だろうけど……この男の子は誰だろう……?

すごく身長が高く見えるし、同級生には見えない。



「よくきてくれたね。どうぞこちらに座って」

「は、はい……!」



理事長に言われるがまま、L字にふたつならんでいるソファの、彼とは違うもうひとつのほうに座らせてもらった。



「君たちが、今年度の特待生だ」



え……?

ってことは、この長身の男の子は同級生ってことっ……?

同じ年で、綾くんよりも身長が高い男の子は初めて見た……。



「ふたりとも同じクラスだから、お互いに高めあってくれ」

「は、はい!」

「……」



理事長の言葉に、反応を示さない彼。



「……もう行っていいですか」



興味なさそうにそれだけ言った彼に、理事長は笑顔で頷いた。