ぼそっとつぶやいたその人の声を、私の地獄耳がひろう。聞き間違いかな……?



「優秀な生徒が我が校に入ってきてくれるのは大歓迎だ。同じ学舎の生徒として、これからよろしくね」



彼はにこっと微笑んで、握手を求めるように手を差し出してきた。

うっ……笑顔、眩しいっ……。

冗談を抜きにして、彼の笑顔が発光しているように見えた。



「こ、こちらこそ、よろしくお願いします」



恐る恐る手を出して、握手をさせてもらう。



「君の学園生活が、実りあるものになることを願ってるよ。何か困ったことがあれば、いつでも相談して」



優しい先輩っ……。

こんなに素敵な先輩がいるなんて……やっぱり、才咲学園に入ってよかったっ……!

ひらひらと手を振って、歩いていく先輩。

先輩と一緒にいた3人の人も、私の前を通り過ぎていく。