レイコさんの話では、レイは生まれつき心臓に疾患を抱えていたらしい。


激しい運動は制限されていていて、体育の授業もいつも見学で、そのことで同級生にからかわれたこともあったらしい。


そんなレイの唯一の救いは、本を読むことだった。


物語の世界に入り混んでいる間は、まるで主人公のように、元気で明るく、みんなに優しい人になれた。


運動ができない分、勉強にかなり力を入れて、努力して都内の有名進学校に入学した。


しかし、入学してすぐに、病状が思わしくなく、入院生活を強いられるようになった。


結局、学校にはあまり通えず、出席日数も足りなくなって退学し、レイは小説を書き始める。


そのネタ集めとして、ネットの世界にのめり込み、週末にパーティーを開いて、いろんな人と人の会話を覗いては、必死に小説のネタになることを集めていた。


レイコさんと出会ったのも、その頃からだった。