そこで、僕はコーヒーを飲みながら、レイのいろんな話を聞いた。


東京でも有名な大学で院に通っていること、ドイツ語ドイツ文学を専攻していること、自分で小説を書いていること、本当は官能小説を書きたいということ。


「でも、官能小説なんて、なんだかレイっぽくないね」


「ははは、よく言われるよ。それで、過去の話だったね」



レイは、小学生の頃からサッカーをやっていた。家には引っ越し用のトラックが6台は停められそうなくらい広い庭があること、そして、庭には芝生とサッカーゴールがあるらしい。


そんな環境でサッカーばかりやっていたら、プロのジュニアチームにスカウトされる。そこで中学までプレイして、高校では都内で有数の進学校に進み、サッカーはやめた。


「そのままサッカーを続けていたら、レイはプロになっていたかもね」


「かもしれない。でも、サッカーはもう懲り懲りさ」


その後もいろんな話をしてくれた。


今の大学に現役で合格し、友人とゲーム会社を興し、取締役兼ゲームシナリオライターとしてビジネスをしていること、そして、都内のタワマンの最上階に部屋を借りていること、極度の猫アレルギーであることなどを話してくれた。