「実家は、青森だっけ?」 「うん、青森」 「リンゴの街だね」 「うん、リンゴの街」 そういえば、リンゴってしばらく食べていないなと思いだした。 「送ろっか?」 「え?」 「リンゴ。よくもらうから」 「いや、いいや」 僕は断った。 「そうだよね。甘いもの、好きじゃないって言ってたもんね」