多田くんは今、ホテルのベッドで疲れて眠っている。 私に浮気がバレたことなんか、毛ほども気づいていないのだろう。 そのことにも無性に腹が立つ。 勝手な女だってつくづくそう思う。 自分でもそう、思う。 でも、もう多田くんとの間には、信頼の二文字はない。